1. 床スラブの厚さは通常の場合,表18.1に示す値以上かつ,80cm以上とする。ただし,軽量コンクリート床スラブでは表18.1に示す値の1.1倍以上,かつ
100mm以上とする。周辺固定条件が異なる場合または,表18.1によらない場合は,適切な計算,または実験によってスラブに有害なたわみ,ひび割れあるいは
振動障害を生じないことを確認する。
表18.1 床スラブの厚さの最小値
支持条件 |
スラブ厚さt(mm) |
周辺固定 |
t = 0.02((λ-0.7)/(λ-0.6))(1 + wp/10 + lx/10000)lx |
片持ち |
t=lx/10 |
[注] | 1) | λ | : ly/lx |
lx | : 短辺有効スパン(m) |
ly | : 長辺有効スパン(m) |
| ただし,有効スパン長さとは,梁,その他支持部材間の内法寸法をいう。 |
2) | wp | : 積載荷重と仕上げ荷重との和(kN/㎡) |
3) | 片持ちスラブの厚さは支持端について制限する。その他の部分の厚さは適切に低減してよい。 |
2. 小梁付き床スラブにあっては,小梁の過大たわみおよび大梁に沿った床スラブの過大なひび割れを防止するため,小梁に十分な曲げ剛性を確保するものとする。
3. 曲げモーメントに対する断面の算定は,13条の4.によって算定してよい
4. せん断力および付着・定着に対する算定は,15条,16条および17条に準じる。
5. スラブの配筋は前項によるほか,次の(1)および(2)による。ただし,軽量なスラブまたは特殊なスラブはこの限りではない。
(1) スラブの引張鉄筋は,D10以上の異形鉄筋あるいは鉄線の径が6㎜以上の溶接金網を用い,正負最大曲げモーメントを受ける部分にあっては,その間隔を表18.2に示す値とする。
表18.2 床スラブの配筋
|
普通コンクリート |
軽量コンクリート(一種,二種) |
短辺方向 |
200mm以下 径9mm未満の溶接金網では150mm以下 |
200mm以下 径9mm未満の溶接金網では150mm以下 |
長辺方向 |
300mm以下,かつスラブ厚さの3倍以下 径9mm未満の溶接金網では200mm以下 |
250mm以下 径9mm未満の溶接金網では200mm以下 |
(2) スラブの各方向の全幅について,鉄筋全断面積のコンクリート全断面積に対する割合は0.2%以上とする。